【ジブリ】君たちはどう生きるか【あらすじ&感想】

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2023年7月14日公開。ジブリ最新作「君たちはどう生きるか」
宮崎駿監督が2013年公開の「風立ちぬ」から10年ぶりに世に出したファンタジー作品の「君たちはどう生きるか」を紹介していきます。

太平洋戦争真っ只中。火事で母を亡くした少年・眞人(まひと)は、父と共に疎開し大きな屋敷に引っ越すこととなります。
父は、母の妹・夏子と再婚し一緒に暮らし始めますが、眞人は新しい学校にもなじめず、状況をなかなか受け入れられずにいました。
そんなある日、眞人の前に人語を話すアオサギが現れます。夢だと思った眞人でしたが、突然姿を消した新しい母親・夏子を探すうちに再び現れたアオサギに導かれ、この世ではない不思議な世界へと迷い込んでいきます。

まず驚いたのは、戦火のなか眞人が町を走るシーン。水墨画のようなゆらゆらと揺れる炎のなか眞人が走るシーンは今までのジブリ作品、アニメーションにはない新しい表現で圧倒されました。
今までのジブリ的な表現はもちろん新しい映像作りにも挑戦している今作品。80歳を超えてなお新しいことに挑戦する宮崎駿監督の熱意に驚愕します。

眞人は不思議な世界に迷い込み夏子を探すこととなります。そこでさまざまな生き物や人と出会うことに。
妖精?のような「わらわら」、ペリカン、魔法使い、インコたち等々個性的なキャラクター達が続々登場します。しかしストーリーはというと、正直な感想として脈絡もなく筋を感じることができません。しかし壮麗な映像と個性的なキャラクター、それらが圧倒的強度を持った魅力的な「絵」を作りだしスクリーンから目を離すことができないことでしょう。

今作では、今までのジブリ作品を想起させるシーンがいくつも登場します。
例えば、「わらわら」はもののけ姫の「こだま」にそっくりです。わらわらと共に登場する巨大ペリカンも「もののけ姫」の乙主のように眞人に問いかけます。魔法使いは「ハウルの動く城」。冥界のような海をさまようシーンは「崖の上のポニョ」。「天空の城のラピュタ」の飛行石を想起させるシーンも登場します。
セルフオマージュに満ち溢れた「君たちはどう生きるか」はもしかしたら宮崎駿監督の総決算なのかもしれません。

眞人が迷い込んだ世界に登場する神?のような存在である王が登場します。王は石を積み木のように積み上げ世界の均衡を保っていると眞人に伝えます。絶妙なバランスで保っている世界に眞人は驚愕しますが、インコの王であるインコ大王がそのバランスを崩してしまいます。
映画を観ていない方は何のことを言っているかわからないかもしれませんが、大量のインコを従えるインコ大王が世界を壊してしまうのです笑
比喩や暗喩やメタファーに満ち溢れた(満ち溢れているように見える?)本作。たとえば、石を積む王は、ジブリ帝国を築き上げた「宮崎駿監督」。インコ大王はジブリのプロデューサー「鈴木敏夫」。人間の言葉をマネすることができるインコ、これは宮崎駿監督の有象無象のフォロワーと捉えることができます。
王=「宮崎駿監督」は、積み上げた石を捨て去り観客に問いかけます「君たちはどう生きるか」

圧倒的な映像と魅力的なキャラクターが楽しめる本作。ジブリ映画というよりは宮崎駿監督の芸術映画といった趣です。
印象的なシーン、象徴的なシーン、これらに宮崎駿監督からのメッセージがたくさん隠されているのかもしれません。これほど考察が捗る映画も珍しいでしょう。
難しいことを考えずに圧倒的な映像を楽しむのもよし、徹底的に考察を楽しむのもよし、観たひとそれぞれの楽しみ方ができますので、皆様もぜひご覧になって自分なりの楽しみ方をしてみてください!!

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